【先行体験】Meta Quest 3越しに見た現実世界はかなりリアルでした

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【先行体験】Meta Quest 3越しに見た現実世界はかなりリアルでした
Photo: amito

さきほど発表されたMeta Quest 3を一足先に体験してきました。

「Meta Quest 3(メタクエスト3)」はMetaが発表したVRヘッドセット。価格は7万4800円(128GBモデル)からとVRヘッドセットとしては普及価格なのですが、フルカラーパススルーという機能に対応しているとのことで正式発表前から注目されていました。

結論から言います。今回体験して確信しました。Meta Quest 3のフルカラーパススルーは文句なしの出来栄え、これつけたまま部屋をうろうろする生活は大いにアリ。いっぽうでゲーム推しすぎるスタンスにもったいなさも感じました。

Appleのヘッドセット「Vision Pro」も体験した経験から、主にフルカラーパススルーによるMR体験の感想をお伝えしていきます。

フルカラーパススルーって何?

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Image: Meta:Reality Labs

フルカラーパススルーとは、VRヘッドセットを装着したうえで本体のカメラでとらえた現実世界の様子を見る機能です。そこにさらにアプリやゲームの3Dオブジェクトを表示することで、あたかも自分の部屋とゲームの世界が混ざりあったような体験ができるのがMR(ミックストリアリティ)です。

見ているのはカメラの映像なので、画質や歪みがあると酔ってしまいますし、家具にぶつかって怪我をするお恐れもあります。とっても高度な技術が求められる機能なんです。

パススルー映像の画質はどう?歪みは?

※取材陣によるデモや視界の撮影は禁止でした。公式カメラマンによる写真でお送りします。

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Image: Meta:Reality Labs

案内されたのはこのお部屋。12畳くらいでしょうか。

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Image: Meta:Reality Labs

装着。この時点でもうフルカラーパススルー状態、現実の部屋が見えています。すごいです、とっても自然な見えかた

部屋の中を歩き回ります。近くにあった椅子やテーブルに手を伸ばしてみました。すべてのものに見ている視野と乖離なく触れることができます。

スマホを取り出してロック画面の通知を見てみました。細かい文字をパススルー越しに読むのは難しいです。

Meta Quest 3の解像度は片目あたり2064x2208。部屋を眺める分にはけっこう画質がいいなと感じていたのですが、よく見ると遠くの壁のテクスチャが荒いなど、自分の目で見る景色よりももちろん劣ります。それでも、ヘッドセットをつけたまま飲み物を取りに行ったり、家族と会話したりすることに何の問題もない、そういうレベルです。

視界にはメニュー画面が浮かんでいて、自分の指で触れるように操作することができます(ハンドトラッキング)。この操作は精度が良くなっていると感じることはできず、何回か押し間違えることもありました。また、カメラで手をトラッキングしているからか、手が動くたびにその周りのパススルー映像が歪むことがあります。

簡単な操作はコントローラーがなくてもできるので、ちょっとコンテンツを鑑賞するだけなら手だけの操作を積極的に活用したいとは感じました。

装着感は?

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Image: Meta:Reality Labs

全体の重量は前モデルのQuest 2よりやや重くなっているようなのですが、前のめりだった重量バランスは改善されていて、だんだんとズレ落ちてくるような感覚はありません。新しく薄型のレンズが採用されていて、ヘッドセット部分が40%薄くなっているおかげです。バランスが良くて快適でした。

頭の上から後頭部に伸びるストラップが新しくY字のものになっていいます。これもQuest 2より装着感が上がっています。

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Image: Meta:Reality Labs

コントローラーも装着。前モデルにあったリング状のパーツがなくなってコンパクトになりました。使用中にコンパクトになった恩恵は感じませんでしたですが、単純に収納するのが楽でよさそうです。

MR・VRゲームはどう?

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Image: Meta:Reality LabsVRって口開いちゃうよね
VRって口開いちゃうよね

いくつかMR・VRゲームを体験しました。

MRでおもしろかったのが『BAM!』というタイトル。複数人でオンライン対戦できるテーブルゲームで、盤上のキャラクターを操作して敵をステージから落としたり、アイテムを取り合うアクション要素満載の内容です。体を動かして違う角度から奥行き感を確認しつつステージの端ギリギリを滑空する、などMRゲームならではのテクニックもいっぱいありそうな予感。

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『ねこあつめ』もプレイしました。家に集まってくる猫を愛でるゆるーいゲームですが、なんとQuest 3では現実世界の部屋に猫がやってきます。そして、抱き上げることもできました。ペット禁止の部屋でも猫をヨシヨシできるのはMRだけの体験かもしれない。

VRゲーム『Red Matter 2』ではバーチャル空間の宇宙船の中を探検。VRゲームはかなり画質が向上しています。遠くの景色の輪郭もくっきり見えるし、手に取ったオブジェクトの質感もかなりリアル。

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Image: Vertical Robot
『Red Matter2』の画質比較

最新のSnapdragon XR2 Gen 2チップを搭載したことで、前モデルと比較してグラフィック性能が2倍高速になっています。これまでQuest 2でVRゲームやメタバースに熱心に触れてきた人にとっては感動モノのアップデートになるハズ。ただ、僕にとっては画質が良すぎて、Quest 2では体験しなかったVR酔いになってしまいました。慣れる時間が要りそうです。

Vision Proと比べてどう?

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Image: Apple

フルカラーパススルーといえばどうしても思い出してしまうのが、Appleの空間コンピュータこと「Vision Pro」の体験。体験した人が口を揃えて絶賛するように、高画質で歪みのないフルカラーパススルーでした。

Quest 3はこれには一歩及びません。画質を比べても荒いし、ハンドトラッキングを使った操作感もすこし荒削りです。

でもQuest 3は7万4800円、Vision Proは約50万円以上。この価格差を考えるとQuest 3の体験ってめちゃめちゃコスパがいいんじゃないか? 安すぎるとさえ感じたのが正直なところです。

Meta Quest 3で仕事はできる?

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Image: Meta

問題はこのデバイスで何をするか。今回の体験会で気になったのは、Quest 3を仕事で活用するようなデモが1つもなかったこと。デモはぜんぶゲームだったんです。

せっかくパススルーができるのなら、現実世界に大画面のアプリを浮かべて仕事がしてみたい。そこにはタブレットやリモートワーク用に買った外部モニターが無価値になる可能性だって感じています。

仕事での活用に関する新情報に触れられていないのは、まだ何かが足りないからなのか?本当のところはわかりませんが、実機が届いたら仕事用のアプリを色々と試してみたいと思います。

Meta Quest 3

価格:7万4800円(128GB)、9万6800円(512GB)

発売日:2023年9月28日予約開始、2023年10月10日発売開始

Source: Meta

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